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所長ブログ「ケンさんが往く」
2024.09.17
タイは地震の少ないところだと聞いたことがあります。
なので、以前も書いたかと思いますが、いかにも耐震性の無さそうな斬新(?)なデザインのビルが多く目につきます。
では全く災害が無いのか、というと、例外が洪水ですかね。
洪水と言っても日本のように山から鉄砲水が噴出するようなものではありません。
ゆっくりと水位が上がる、といったものです。
Pattaya Newsによると最近も小洪水がタイのあちこちで起きているようです。
2011年だったかの大洪水は、アユタヤやバンコクを含むチャオプラヤ川下流域の広大な領域で工場や家屋が屋根辺りまで水没し、知り合いのタイ人はホテルに避難しましたし、交通手段は専ら舟、という状況になりました。
日系企業の工場も大きな被害を受けました。
ところがタイ人は案外平気で、中には舟に乗りながら家の中で高いところへ置いたテレビを見ていた、という嘘のような話がありました。
その理由は、洪水自体がジワジワと何日もかけて水位が上がるようなものなので、避難しようとすればいつでもできる、ということもありますが、何といってもタイ人はこの種の洪水に慣れている、ということがあるようです。
タイ人は水稲栽培のために中国の南部からチャオプラヤ川沿いに下って来て国を作ったので、もともと低い土地に住むのに慣れており、その交通手段は長い間、水路と舟でした。有名な水上マーケットがいくつか今でも残っていますよね。
タイの水稲は日本のものと異なって、茎が長く比較的深い水中から伸びて水上で実を付け、それを舟に乗って収穫に行く、ということで、タイ人にとっては水は友達で、少々の洪水は日常茶飯事だったのです。
ところが特にバンコク辺りでは運河は殆ど埋め立てられて近代的な道路に変わったため、洪水が起こると都市機能に重大な影響を与えることになったのです。