所長ブログ「ケンさんが往く」

2025.04.30

弁理士の仕事は面白い

私の仕事の中心は特許出願です。

 

技術が対象ですが、その技術は30年前ともちろん一緒ではありません。
出願の御依頼を頂けるお客様が変わることがあるし、お客様は同じでも出願の技術内容が変わってきます。

 

弁理士になって今年で30年になりますので、色んな技術案件に携わらせて頂きました。
化学は完全に専門外なので、電気・機械分野の出願が専門です。

 

事務所を始めた頃は大企業からの出願依頼が主だったので、比較的同一分野の出願依頼が多く、ベルトコンベア式に出願書類を作成できましたので効率が良く、ビジネス的に率直に言えば儲かる状態でした。

 

それから、いろんな出会いがあり、中小企業のお客様が増えてくると、電気・機械分野といっても、いろんな技術分野の出願依頼を頂きます。依頼がある都度、それなりの勉強が必要になります。一品製作的なので効率は悪く、儲けは少なくなります。

 

一方、大企業からの出願依頼も、最近は内容が難しくなりました。それは製造現場で使用されるコンピュータの演算速度が急速に向上して、繰り返し計算や大容量データの処理が可能になったことから、AIや数理解析が現場の発明の対象になってこの種の出願依頼が増加してきたことと関係があると思われます。おかげ様で昔習った数学の本をひっくり返すような事態となりました。

 

ということで、特許事務所における仕事の効率は悪くなり、儲けも少なくなりましたが、仕事は却って面白くなってきましたね。