所長ブログ「ケンさんが往く」

2025.11.02

映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」

登山家の田部井淳子さんの著書を原作とした映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」を見てきました。
主演は吉永小百合です。

 

段階の世代にとっては「サユリスト」という名を生んだ青春のシンボルですね。
もっとも私は吉永の出た映画はほとんど見たことがありません。
吉永小百合自体はまあ余り好みの女優ではなかったので。

 

というより、青春映画、というのが嘘くさくて何となく好きになれなかったというのがあります。
吉永は歳をとってからの方が良いのではないでしょうか。

 

それはそうと件の映画です。
結論から言うと、なかなか良かったです。

 

女性登山隊として初めてエベレスト登頂を果たして一躍有名になったのですが、映画はそこに至るまでの苦労話を主にしたものではありません。

 

もちろん女性登山隊に対する世間の目や資金集めの苦労などは語られますが、登頂の工程が事細かく描かれるわけではありません。

 

全編がほぼ回想の形で描かれるのですが、登山隊の仲間の話、有名登山家を支えるご主人、娘、息子を含めた家族の話、そして終盤には病を得た自身の話。

 

莫大な経済的恩恵を与えるわけでもない(「黒部の太陽」のような)趣味の極致のような山登りが、自身と周囲の人生、そして社会に、金では得られない爽やかな風を吹かせることがある、というような映画でしたね。